維新政治の失敗 〜教育②〜

維新政治の失敗

受験競争あおり、ないがしろにされる“学ぶ喜び”

豊かな表現を手にしたとき、論理的な思考が身についたとき、社会や自然の仕組みがわかったとき、しなやかな身のこなしができた時、子どもたちは感動し学ぶ喜びにめざめます。

同時に人間としての成長を遂げ、もっと学びたいと意欲を持ちます。これこそが教育のすばらしさだと私たちは思います。

しかし、過度の受験競争や学力至上主義の教育は、多くの子どもたちから本当の学ぶ喜びを見失わせ、自尊感情すら奪ってしまいかねません。

大阪維新の会が進めようとする教育は、まさに受験競争をあおり、学ぶ喜びをないがしろにする教育として問題だと言わざるを得ません。

立憲民主党大阪府連「都構想」ポータル

撤廃前の府立高校の学区
※立憲民主党大阪府連作成

競争の激化を招いた学区撤廃

出発は橋下徹府知事(当時)による学区の撤廃です。それまで4学区あったものを2014年の受験から撤廃してしまいました。

簡単にいえば、同程度の学力の高校4校を序列化することになり、当然競争は激化します。

大阪の高校入試は学力試験と内申書の合計で合否が決まります。学区撤廃によって学力にあまり差のない受験生が集まりますから、内申書が重要となります。

ところが内申書は絶対評価のため、学校ごとに差が出かねないと考えた維新はなんと中学校を序列化するシステムを考えたのです。

立憲民主党大阪府連「都構想」ポータル

中学生チャレンジテストの結果概要
※画像は大阪市Webサイトより

内申書重視傾向と序列化の進む中学教育

大阪市長となった橋下氏が市教育委員長に招いた首都大学東京教授の大森不二雄氏は、16年3月の入試において、文部科学省が行う全国学力テスト(学テ)の中学校ごとの結果を活用することを発案します。即ち上位校には内申書での高評価の割合を多くするというものです。

当初、文科省は学テの趣旨から逸脱しており、入試に活用すべきではないとしていましたが、どんな「忖度」があったのか、下村文科大臣(当時)は15年8月20日の松井府知事との会談で、「学校現場の混乱を避けるため」として16年春の入試に限り容認してしまいました。

現在は大阪府が実施する「チャレンジテスト」が学テの役割をはたし、中学校の序列化と内申書評価への反映のシステムは温存されています。

指導者や保護者も巻き込む競争システム

加えて、このシステムは先生に対する成績評価システム強化や給与への反映、学校選択制の導入、定員割れの続いた高校の統廃合など教育行政のあらゆる分野への競争原理の導入と同時に進められています。

子どもだけでなく先生も、保護者までもが競争に駆りたてられる教育システム。こんな教育システムはもう終わりにしなければいけません。