特別区の「区役所への道」考察

特別区設置のデメリット

実際に区割りされた場合の区役所への距離

2018年4月6日に開催された法定協議会での配布された資料を見ていて、ある疑問が湧いてきます。

※大阪府/第9回大都市制度(特別区設置)協議会
http://www.pref.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/daitosiseidokyogikai/09hoteikyo.html

その資料とは「副首都・大阪にふさわしい大都市制度 ≪特別区(素案)≫(追加資料)」の「2 特別区本庁舎の位置」の1の(4)特別区本庁舎の位置(案)に示された大阪市域の地図です( PDF )。

立憲民主党「都構想」ポータル

特別区本庁舎の位置(案)
※画像は大阪府Webサイトより。

第一区から第四区に分割され、それぞれに本庁舎の位置がマーキングされているのですが、第一区、すなわち「東西区」に入る港区から見ると東西区役所となる現・淀川区役所が、他の3区の区役所より一番遠く見えるのです。

港区の「大阪港」駅が最寄りの場合を例に取ると…

で、論より証拠と、Yahoo!のアプリ「乗換案内」で調べてみました。すると、第一区「東西区」に入る現・港区では、その他の第二〜四区の区役所の方が近い、という状態になります。

1番近いのは、第二区「北区」の区役所となる現・大阪市役所のある「淀屋橋」駅。中央線「本町」駅で御堂筋線に乗り換え、「淀屋橋」駅まで約20分で着きます。運賃は280円。

2番は第三区「中央区」の区役所となる現・西成区役所のある「岸里」駅。中央線「本町」駅で四つ橋線に乗り換え、「岸里」駅まで約30分で着きます。運賃は280円。

3番は第四区「南区」の区役所となる現・阿倍野区役所のある「文の里」駅。中央線「谷町四丁目」駅で谷町筋線に乗り換え、「文の里」駅まで約30分で着きます。運賃は320円。

やはり一番遠いのは、第一区「東西区」の区役所となる現・淀川区役所のある「十三」駅。

中央線「本町」駅で御堂筋線に乗り換え「梅田」駅で下車、阪急に乗り換え「梅田」駅から「十三」駅へ。所要時間約40分で、運賃も430円かかります。

中央線「弁天町」駅でJR環状線に乗り換え「大阪」駅で下車、阪急で「梅田」駅から「十三」駅というルートだと所要時間は約30分と若干短縮されますが、運賃は540円と割高になります。

あまりにもお粗末な「区割り」案

いずれにしても現・港区民の皆さんは自分の区の区役所が一番遠い。しかもいったん自分の区である「東西区」から「中央区」へ出て、「北区」を通り過ぎて、もう一度自分の区である「東西区」に戻る経路をたどらざるを得ません。

百歩譲って「区割り」を検討するとしても、これはあまりにも粗雑な案ではないでしょうか。