マンガでわかる「都構想」②「特別区って何?」

マンガでわかる「都構想」

特別区って何?

立憲民主党大阪府連「都構想」ポータル・マンガでわかる「都構想」

大坂教授:「住民投票」の争点になっている「特別区」と「総合区」の違いってわかるかな?

:う〜〜ん。はっきりわからない〜〜。どう違うの大坂教授。教えてください。

大坂教授:「特別区」というのは東京23区と一緒で、地方自治法では「特別地方公共団体」という位置付けになるんだよ。

大阪市にも「区」はあるけど、それは政令指定都市に置かれる「行政区」というもので、地方公共団体の中の区域区分の1つなんだ。

一番の違いは大阪市がなくなること。「都構想」というのは、大阪市を廃止して、「特別区」に分割する制度改革案なんだよ。

:へぇ〜、じゃあそれぞれの区単位できめ細かい自治が行われるってこと?

大坂教授:そうだね。それぞれの区に区議会がおかれ、区長も選挙で選ばれることになるからね。特別区は面積も政令指定都市よりも小さくなるので、きめ細かい住民サービスが期待できるかもしれない。

特別区になると、どうなるの?

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:じゃあ、「特別区」っていい制度なんじゃないの?

大坂教授:問題は大阪市がなくなることで、一般市よりも大きかった政令指定都市の権限や財源のほとんどが大阪府に吸い上げられてしまうことなんだ。

東京の特別区は長い年月をかけて、東京都から区への権限移譲を求めて運動してきている。それでも都市計画権限などを持てない「不完全自治体」のままだともいえるんだ。

:ふ~ん。じゃあ財源の問題はどうなるの?

大坂教授:今、大阪市に納められてる税金の約4分の1だけが特別区の自主財源になって、残りの約4分の3は府税として大阪府の税源になるんだよ。

府に渡った税金から「財政調整交付金」として各特別区に配分されるものもあるけれど、大阪府のサジ加減にずいぶん左右されてしまうだろうね。

いくら身近なところに区議会ができ、区長を選挙で直接選べるようになっても、その区長や区議会に「権限」や「財源」がないと地方自治の拡充とは言えないし、住民サービスも良くならないかもしれないね。

:でも、特別区の住民は大阪府民でもあるんだから、府知事や府議会がちゃんしてくれればいいんじゃないの?

大坂教授:もちろん大阪府民として、府知事や府議会に声を上げることはできるよ。でも大阪市民の人口は大阪府民の約3分の1しかいないんだよ。だからいくら特別区民となった元大阪市民が声を上げても、議会の総意にはならない可能性が高い。

知事も府民の声が3分の2と3分の1に分かれれば、3分の2に声を大切にせざるを得ないかもしれないね。ちなみに東京都では特別区の都民が約75%を占めているんだ。

市民が納得できる慎重な議論が必要

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:じゃあ、「総合区」ってどんな制度?

大坂教授:「総合区」というのは、政令指定都市に設けられる制度で、大阪市はそのまま存続することができるんだよ。なので「財源」や「権限」はそのままなんだ。

総合区長は選挙で選ばれるわけではないけれど、副市長と同じように特別職として議会の承認が必要なポストになり、問題があればリコールもできるようになる。

総合区長は行政区の区長より権限が拡大され、これまで区役所では決められなかったことも住民に身近な区役所で決められるようにしようという制度だね。

ただ、今の大阪市の総合区案は合区を前提としているので、今よりも区役所は遠い存在になる。

よほど区役所の権限が大きくなって、区内のことは区民が決めるという実態が伴わないと、区役所が遠くなっただけと批判されてしまう。先ず大阪市民に対する十分な説明が必要だろうね。

:なるほど。でもやってみないとわからないこともあるだろうから、どちらかやってみて、だめならもうひとつの方に変えるっていうのはどうだろう?

大坂教授:残念ながら、一度「特別区」になると元に戻る制度はないんだよ。しかも、「特別区」への移行コストも最大768億円かかると言われている。とりあえずやってみるにはリスクが大きすぎるだろうね。

:そうなんだ。だから先生はもっと慎重に議論しなければならないっておっしゃっているんだね。住民投票で決めるっていうんなら、投票の前にもっとていねいな説明があってほしいよね。どちらにしても、私達が納得できる形になればいいな〜。